小さなサロンの春夏秋冬マーケティングとは
日本には春夏秋冬がありますが、私はビジネスにも春夏秋冬があると思っています。
以前、美容室のコンサルティングを行っていたときは、クライアントの美容室が「春」なのか、「夏」なのか、「秋」なのか、「冬」なのかを見極めて、それぞれの季節に合ったコンサルティングをしてきました。
それぞれの季節でコンサルする内容は違います。
前回までにお伝えした、お店やサロンの「幼児期」「青年期」「成熟期」の考え方とも重なりますが、四季に例えるときは、主に「マーケティング方法の変化」をお伝えするときです。
では、早速ご説明いたします。
【目 次】
1.春・立ち上げの季節
お店やサロンを立ち上げたときを「広い大地に種をまき始めた」というイメージを持ってもらえるとわかりやすいと思います。
ビジネスの立ち上げ時は、「知ってもらう」時期です。
そのためには「種」をたくさんまいて「芽」を出させなければなりません。
この場合「種」が広告宣伝であり「芽」が新規のお客さんを指します。
この時期に大事なのは「種」にはいつも水を与え、まだ弱く小さな「芽」を大切に育てていくことですよね。
たとえば「種」を新聞の折り込み広告だとしたら、3ヶ月ぐらいは定期的に折り込み広告を出すということをしていくわけです。
よく、オープン時には広告を出したけど、その後はほとんど出していないというサロンがありますが、「春」はそれではいけません。
とにかく、お店やサロンのキャパシティー(容量、収容能力)に合った顧客数を集めていく時期ですので、広告宣伝しなければ、次の季節を迎えられなくなります。
春に注意することは、新規客が増える仕組みをつくることと、利益を求めないことです。
【新規客が増える仕組みをつくる】というのは、先にも説明した通り「定期的な広告宣伝」を行うことです。
【利益を求めないこと】とは、「芽」を育てずに摘んでしまうことであり、言いかえると「儲けようとすること」です。
春の段階で「利益(もうけ)」を求めてしまうと、芽は成長できず、実をつけるところまでたどり着けません。
私は「最低でも3ヶ月間は利益を求めず『顧客数』を増やしましょう」とアドバイスします。
なぜなら、その後に訪れる「豊かな実りの秋」を迎えるためだからです。
2.夏・成長の季節
顧客数が増えてくると、夏の季節を迎えます。
夏はお店やサロンがどんどん成長していくときです。
では、何をもって「成長」かと言いますと、「お客さんとの信頼関係が構築されていく状態」がつくれているかどうかが成長の基準となります。
夏の季節にやるべき大切なことは「顧客リストの構築」です。
そして、顧客リストのお客さんとコミュニケーションをとり、信頼関係を積みあげていくことが最も大事な仕事となります。
※コミュニケーションの取り方は以下👇の記事を参考にしてください
夏という季節は、ちょっと残酷な季節でもあります。
なぜなら夏は、顧客との信頼関係を作ると同時に、お店やサロンに向かないお客さんを選別し、ふるい落としていく季節でもあるからです。
信頼関係を作れない「クーポンジプシー客」や「理不尽なクレームが多い客」、「こっちはお客よ文句あるの客」は、夏の害虫みたいなものなので、農薬ぶっかけてふるい落としたほうがストレスなく「秋」を迎えられます。
農薬のかけかたは様々な方法がありますが、手っ取り早い方法は、顧客リストから外し、コミュニケーションをとらないことです。
基本、お店からせ嫌われるお客さんは「かまってちゃん」が多いので、あなたによほどのMっ気がない限り、疲れの原因となるので、勇気をもって距離をおくことをおススメします。
3.秋・実りの季節
いよいよ秋、「実りの秋」です。
秋は「利益」を求めても良い季節ですので、儲けることを考えて攻めの姿勢でOKな季節です。
具体的には「値上げ」です。
値上げはお店やサロンにとって「勇気」がとっても必要なことですよね。
しかし、夏にしっかりとお客さんとの信頼関係をとってきたなら、むしろやったほうが良い戦略となります。
変なことを言うかもですが、定価を値上げして、値引きサービスをしてあげると効果的です。
具体的には、美容室だったら、4,000円のメニューを5,000円に値上げしたとします。
1,000円の値上げは顧客が離れるリスクが大きいと感じるかもしれませんが「40日以内の次回予約をしてくれたお客さまには800円値引きします」とうたったら印象はどうでしょうか?
5,000円が4,200円になるって、逆にお得感を演出していると思いませんか。(でも結局は200円の値上げが無理なくできていますよね)
これはほんの一例ですが、このように「利益」を出すために工夫をしてよいのが「実りの秋」ですから、脳ミソが汗かくまで考えて利益を追求しましょう。
そして、お店やサロンが「秋」の状態になったとき「予約がなかなか取れないサロン」が完成するということです。
お分かりいただけましたでしょうか。
4.冬・ステップアップの季節
秋で豊かに潤ったお店やサロンは、次の段階を考え始めるようになります。
高品質の新メニューを導入したり、人員を増やしたり、お店を拡張したり、複数店舗を持つようになったりと「変化」を求めるようになるのです。
もちろん、春の課題、夏の課題、秋の課題とこなしてきたお店やサロンであれば、上記のような「変化」を求めても、何ら心配はありません。
逆に、このような四季の課題を知らずに、ワンチャン儲けにのっかった「変化」だと、散々な目にあう確率は限りなく高くなります。
冬は、新たなステップにチャレンジするための「準備の季節」なのです。
この冬に(思い付きではなく)次のステップをじっくり考えることで、自分の身の丈や、自分の可能性と向き合うことができます。
もちろん「変化を望まず、このペースで続ける」という選択肢もありますので、それを含めて考えるときが「冬」なのです。
可能性を追うなら「変化」を避けては通れません。
身の丈でいくなら「変化」は避けたほうが良いかもです。
どちらにせよ、次の春夏秋冬に向けて「何をどうすべきか」をじっくり考えるときは必ず必要ですので、この「冬」はかなり重要な季節となるわけです。
5.まとめ
このように、お店やサロンには四季があり、その季節を見極めたうえで「コンサルティング」や「アドバイス」を行うのが私のやり方です。
春のお店やサロンに「秋」のアドバイスをしたりするのは愚の骨頂(ぐのこっちょう)というわけです。
ですから、このようなブログで一律に「こうしたら儲かりまっせ」と言ってしまうのは無理がありますし、言ってしまったら嘘になってしまうかもです。
なぜなら、それぞれの季節は違うし、それぞれの課題が異なるからに他なりません。
あなたが「自分はどの季節なのかな」「どの季節からやり直したらいいかな」と考えながら読んでくださると幸いですし、そのキッカケを作るためにこの記事を書きました。
ぜひ、参考にしてくださいね(^_-)-☆