お客さんの「来店までの心理」を考えてみた
こんにちは、牧野です。今回は、お客さんの心の動きについて勉強していきましょう
なぜなら、すべてのお客さんには「予約(来店)心理」というものがあるからです。
これを知らずに宣伝やキャンペーンを打ちだすと、効果が出ない可能性が高まり、広告費をドブ川に流してしまうことになりかねません。
さらに、お客さんの心の動き(流れ)を把握しておかないと、タイミングが悪いときに、トンチンカンな宣伝をしてしまうことになります。
たとえると、ある異性と初めて会った30分後に「結婚して下さい」とお願いするようなもので、ドン引き必至状態を招きかねません。
ですから、今回は「お客さんが来店するまでの心の流れ」を大きく3段階に分けてシンプルにお伝えします。
【目 次】
- 1.お客さんの心理フロー(流れ)
- 2.興味・関心
- 3.比較・検討
- 4.予約(来店)
- 5.独自の「売り」をつくる
- 6.お医者さんマーケティング
- 7.医者は権威
- 8.医者のプロセス
- 9.重要なポイント
- 10.終わりに
1.お客さんの心理フロー(流れ)
まず初めに、認識していただきたいことがあります。
今回お伝えしていくことは「集客方法」ではありません。
ようするに、どうやったら「集客」できるか、どうやったら「売る」ことができるか、ということをお伝えするのではないのです。
あなたが「さらなる集客力」を身につけたければ、お客さんが予約(来店)したくなる心理を学ぶ必要があるので、今回はそちらをご紹介しようということです。
「集客方法」と「お客さんが予約(来店)したくなる心理」は、お同じだと感じるかもしれませんが、厳密にいうと全く違うものなのです。
まずは下の図をご覧ください。
これはお客さんが、予約(来店)するときの心理の流れ(フロー)です。
お客さんが、あなたのサロンの広告やキャンペーンの案内と出合ってから、実際に来店されて商品(メニュー)を頼まれるまでに、どんな心理状態になっていくのかというお話です。
予約(来店)までの流れは、大まかに3つのステップに分かれると思ってください。
2.興味・関心
まず初めに、お客さんはあなたの広告と出合いました。(この段階のお客さんを「見込み客」と呼びます)
この出会いは、チラシであったり、ホームページであったり、ブログであったり、ホットペッパービューティーや、タウン誌のようなものかも知れません。
他にも、店頭の看板や、口コミかもしれません。
いずれの方法でも、とにかくまず初めは、お客さんがあなたのサロンを知るところから始まります。
その瞬間・・・
お客さんは興味・関心を持つか、目に留まらないかのどちらかに分かれます。
あなたの商品やサービスに対して
「これは良いかも」
「えっなに、ちょっと興味あるな」
「うわっ、これ欲しい」
「これは私にはどうなんだろう?」
のような興味・関心を持ってもらえたら第一関門突破です。
3.比較・検討
そして、この段階を無事に通過すると、次は、比較・検討に入っていきます。
「本当にこのサロン(お店)に行ってこのメニューを頼んだら、自分が得たいような結果を得られるのか」
ということを検討したりします。
ただし、同じような結果が得られるような商品・サービスというのは、世の中にはいっぱいありますので、当然、お客さんは自分にとって本当に一番良いのはどこのお店だろうと比較を始めるのです。
最近では【 Instagram 】や【 LINE 】【 twitter 】【 facebook 】などのソーシャルメディアを使って情報を共有するようにもなっています。
もちろんこの段階も、比較・検討の中に含まれることは言うまでもありません。
もっと言うと、現代は『興味・関心~予約(来店)』までのすべてにソーシャルメディアを使っている可能性があります。
4.予約(来店)
上記の「厳しく狭き門」をかいくぐって、あなたのサロンがお客さんに選ばれると、晴れて「予約電話」となるのです。
しかし、牧野流に解釈させていただきますと・・・
初回来店のお客さんは「まだ見込み客の段階」なのです。
ですから、初回来店されたお客さんに「常連客」になっていただくためのアプローチをしなければなりません。
実は、ここからが「真の集客」なのです。
3ヶ月先まで予約が埋まるサロンは、この「初回来店時」に「次回も来店してもらえる仕掛け」を用意してあり、再来を促す方法もマニュアル化されているので、どのスタッフでもリピーターをつくることができるのです。
その仕掛けの代表例が「セールストーク」であったり「メンバー特典」なのです。
5.独自の「売り」をつくる
サロンに予約して来店するとき、それがどのような商品やサービスであっても、この3ステップを踏むのです。
人はスーパーの食品売り場で「だいこん一本」選ぶのにも、この3ステップを踏んでから購入します。
もちろん、だいこん選びはサロン選びより速い「2~3秒の選択」でしょう。
実際、サロン選びは(同じようなお店やサロンが乱立しているので)もっと長い時間「比較・検討」されることが容易に予想できますよね。
興味・関心は、値段であったり、立地であったり、特典であったり、さまざまな要素から生まれます。
そして「比較・検討」という振い落しのステージを経て、予約(来店)にたどり着くので、時間は長くなるということですよね。
巷に出ている「集客方法」などの情報は「どうやってお客さんを集めるか」にポイントを置いていますよね。
そのような「集客方法」は、これら3つのステップのうちの「興味・関心」にアプローチしたものなので、トータルして考えると「集客方法」だけでは足りないのです。
たとえば「売れる方法」「選ばれる方法」でよく出てくる考え方に「USP(ユニーク・セリング・プロポジション)を作りましょう」という戦略があります。
USPを広告などでお客さまに紹介するとき、競合他店にない「あなたのサロンの独自売り」「あなたが取り扱う商品のユニークさ」のような説明をされると思います。
それは【お客さんの心理フロー】でいうと、比較・検討のときに力を発揮しますので、ぜひ、USPを考え抜いて作っておきましょう。
比較・検討のとき
「この店のストパ、あの店とはどう違うのよ?」
とお客さんが悩まれることが予想できますよね。
その際、そのお悩みを先取りした
「うちのストパは◎●で◆◆という違いがあり、あなたにはこんなメリットがあるんですよ」
というアプローチ(USP)が必要となってきます。
【注意点】
USPを増やせば、比較・検討の段階で「この美容室いいな」と思ってくれる人が増えますが、予約(来店)を促す最後の決め手ということではありません。
予約(来店)を促す決め手は「オファー」です。
オファーとは「お客さんが圧倒的に得をする提案」のことです。
見込み客が、比較・検討をしている間に、的確なアプローチがないと、あなたの広告は脱落してしまいます。
すると、その後の広告も読まれないし、来店時のセールストークも意味をなしません。
つまり、このお客さんの心理の流れ通りに広告を作っていかないと、なかなか、
ご予約 ⇒ ご来店 ⇒ 次回来店の仕掛け ⇒ 再来
には行きつかないということです。
ようは、大切なのはプロセス(過程)ということです。
全ての広告媒体において、この「お客さんの心理フロー」というもの考慮し、3段階のプロセス全体から設計していかないと、お客さんに来店していただくのは難しくなります。
では、具体的にはどうしたら良いのでしょう?
6.お医者さんマーケティング
一番シンプルでわかりやすい方法は、「お医者さんになる」ということです。
あなたは、サロン界の「お医者さん」になってみてください。
なぜなら、お医者さんになると、売れる仕組みは出来あがってしまうからです。
これが今回あなたにお伝えしたいことです。
お医者さんというのは、患者さんは自分からやってきます。
特に「ここに医者がいますよ」と宣伝するわけではないのですが、患者さんは自分からわざわざやってきてくれるのです。
そして、患者さんはお医者さんには逆らいません。
たとえば・・・
お医者さんが、「木曜日に手術しましょう」と言ったら、患者さんが「いやぁ、ちょっと木曜日は手が離せなくて・・・」とは言わないですよね。
基本的には、仕事も休んで、用事もキャンセルして、木曜日に手術を受けるはずです。
そして、患者さんは値切りません。
患者さんに「診察料は5,000円になります」と請求した場合「わぁ、ちょっと高いんで2,000円に負けてもらえませんか?」と値切る患者さんはいないと思います。
そして、この患者さんという部分を「お客さん」に置き換えてほしいのです。
・お客さんは自分からってくる
・お客さんはあなたに逆らわない
・お客さんは値切らない(サロンで値切るお客さんは珍しいですけどね)
とても、素晴らしいお店やサロンではありませんか?
あなたにとって「理想的なサロン」だって感じがしますよね。
でも、それと同時に
「理想的って言われても医者じゃないんだからでるわけない・・・」
と思われたかもです。
では、お医者さんだと、なぜ患者さんは向こうからやってきて、逆らわず、値切らないのでしょうか?
7.医者は権威
その理由はとてもシンプルで、医者は「権威」だからなのです。
つまり、痛みで苦しく、不安で、心配な病気を治してくれるという唯一の存在であるし、法律で守られているという意味でも、やっぱり「権威」なのです。
価格を下げてはいけないとか、そういったことは医師法で決まっていますから、そのような法律も味方してくれている医者とは「権威」なのですよね。
だからこそ、患者さんは自分からやってきて、逆らわず、値切らないのです。
ということで、あなたも権威になれば、お客さんは自分からやって来るし、あなたの言うことをよく聞いてくれるし(無いとは思いますが)値切らないということです。
お医者さんのプロセスを学べば、そのままお医者さんのような「権威」が手に入るとこができるという、シンプルな理論をお伝えいたします。
8.医者のプロセス
お医者さんのプロセスとは、大きく分けると3つになるので、先ほどの、興味・関心→比較・検討→予約(来店)の流れとまったく同じになります。
★ステップ1・・・まず、問題を抱えた患者さんが自分からやってく
★ステップ2・・・次に、問題の原因を発見し、それを患者さんに説明する
★ステップ3・・・最後は、処方箋を出す
先ほども言いましたが、これらのプロセスは、まさに、興味・関心→比較・検討→予約(来店)のプロセスとほぼ一緒です。
ステップ1では、問題を抱えている人が向こうからやってくる、、これは、興味・関心を持っている状態ですよね。
そしてステップ2で、問題の原因を発見し、患者に説明するのですが、これは比較・検討の段階を指します。
で、ステップ3の、薬という商品を売るという「来店してもらい施術を行う」の段階になります。
では、これをサロンビジネスにあてはめるとどうなるか、ということを詳しく見て行きましょう。
【ステップ1】
悩みを抱えた人が自分から訪ねてくるという現象は「問題を抱えている人を集める」ということで達成できます。
美容室に多く見られるケースとして、問題を解決したい人ではなく「もっときれいになりたい人」を集める傾向が強いです。
具体的には「あなたのキレイを応援します」こんなメッセージを出していなかったかということです。
そうではなくて・・・
あなたの商品やサービスで解決できる「問題を抱えている人」を集めましょうということなのです。
まずはこの点の考え方を理解してください。
たとえば
「市販のカラー剤をお使いの後、髪のゴワつきとキシみ、頭皮のかゆみで悩まれている方はいらっしゃいませんか?」
このように、商品が欲しい人ではなくて、あなたの商品が解決できる問題を抱えている人を集めていくということです。
【ステップ2】
次は、問題の原因を特定してあげましょう。
そして、それをお客さんに伝えて、きちんとプロの所見を伝えてあげる段階に入ります。
これは何かと言いますと、お客さんの問題の原因を特定するということです。
ステップ1で、問題を抱えている人が集まってきているわけですが、それぞれの理由は微妙に違うじゃないですか。
ここでは、あなたの商品の良さを説明するのではなくて、本当にお客さんの問題はなぜ起こっているかということを、1人ひとりの状態に合わせてちゃんと特定してあげるということです。
そのために行うことが「ヒアリング(カウンセリング)」です。
お医者さんでも「お腹のどの辺が痛いの?」「今朝は何を食べましたか?」ですとか、触診したり聴いたりします。
このように、お客さんの問題の原因がどこにあるかということを、しっかりと特定し、伝えてあげるということ。
これがステップ2です。
【ステップ3】
ここでは、処方箋を出す、という段階となります。
ようするに、お客さんの問題の解決策を提示しましょうということです。
ここではズバリ、あなたのスキルや商品を提案してあげるという場面となります。
先ほどまでのステップで、こういった問題を抱えているということが理解できました。
理解ができたのですから、最終的にやることというのは、その問題の解決方法の提示をすること、すなわち、あなたのセールストークです。
9.重要なポイント
ここで、重要なポイントがあります。
それは、あなたの商品で解決できなければ「他の商品(他のサロン)を紹介してあげましょう」ということです。
これはとても勇気が必要なことですが、本当にお客さんのことを考えたら、してあげるべきことです。
医者でも、自分の医院で診れない患者は、他の病院を紹介します。
これも信用・信頼される重要なポイントです。
あなたの商品がオールマイティーだということはないと思います。
あらゆる問題を解決してくれる商品は、この世に存在しませんから、あなたの商品やサービスではどうにもならない問題を抱えているお客さんもいらっしゃると思います。
そんな場合も、あなたはこの美容室業界に詳しいでしょうから、そのお客さんの問題はどこのサロンなら解決できるかわかるはずなのです。
そのためにも、同業のサロン同士のネットワークを持っているといいかもしれません。
ようは「お客さんのためを第一に考える」ということを本気で取り組む姿勢こそ、真に信頼されるサロンとなるわけです。
10.終わりに
長くなりましたが、以上、3つプロセスを、ステップにそって実施していくと・・・
実は「3ヶ月先まで予約が埋まるお店やサロン」の仕組みは出来あがってしまうんですよ、というお話でした。(^_-)-☆
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