予約が埋まるサロンの法則

美容室などのサロン経営に役立つ情報を配信していきます

「私はプライドの塊」だと思っているサロン経営者へ

「私は職人だ」と思っている経営者のあなたへ。

こんなタイトルで前回の記事を投稿したが、職人気質の経営者の方は、きっと気分悪い思いをしたと思います。

ただし、実際「手に職」があるわけですし、お客さんに対しては「技術」を売るわけなので「職人」でいいと思うのです。

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職人でいいと思うのですが、お店やサロン経営の全てが「職人」じゃ立ちいかなくなるということをお伝えしたいのですね。(特に対従業員に対して)

というわけで、今回は前回👆の続きです。どうぞ👇。

【目 次】 

 

4.「人手が欲しい」青年期

サロン事業の青年期は「人手が欲しい!」と願ったときから始まると言っていいでしょう。

自分の処理能力の限界を超えるようになった経営者は、必ずと言っていいほど「人手が欲しい」と考えるようになります。

大量の仕事を抱えるようになった職人気質の経営者には、どんな助けが必要となるでしょうか?

その答えはとても簡単で「専門能力をもっている人材」が必要になるわけです。

ようは、即戦力の「専門技術者」が理想ですね。

または「経理」や「事務」のスペシャリストが必要と言う人もいるかもしれません。

そこであなたは、最初の従業員を雇うことになります。

そして、その専門能力をもっている従業員が「バリバリの職人」であることは、言うまでもありません

初めての従業員が来たとき、そのサロンは青年期に突入しました。

そして、火曜日の午前8時30分、この度雇うことにした専門職人(せんもんしょくと)さんはやってきたのです。

あなたは、職人(しょくと)さんを温かく迎え入れました。

いや、本音を言えば「温かく」ではなく「熱烈に」といった方がピッタリくるかもしれません。

あなたは職人気質のままなので、バリバリ職人の職人さんの気持ちはよくわかります。

上から目線でものを言われたり、プライドを傷つけるような発言をされたりすることが、どれだけ職人のやる気を無くさせるか・・・

あなたは自分が「それ」をされて嫌な思いをしてきたので、職人(しょくと)さんにこう伝えてました。

「職人(しょくと)さんのやりたいようにやって下さい」
「必要なことはその都度話しあって決めていきましょう!」

と。

【考えてみましょう】

起業家(オーナー)人格の経営者ならこの場合なんて言うと思いますか?
マネージャー(管理職)人格の経営者ならなんて言うと思いますか?

あなたはこの時点で、大きな間違いを犯していることに気付いていませんでした。

あなたは起業家の人格ではないため、また、管理職の人格でもないため、ここで大失敗を犯してしまうのです。

失敗とは・・・

職人(しょくと)さんという「いち職人(しょくにん)」に自由に仕事をさせて「経営者としての仕事を放棄してしまったということに気付いていない」という大失敗です。

これを「委任」と呼べばカッコはいいのですが、冷静に考えれば、管理を「放棄」しただけにすぎないのです。

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しかし、職人気質であったあなたは

「(職人である)自分がされたくないことを他人にはしない」

という、素晴らしい道徳的な考えのもと「最善だと思う意見を提示した」と信じていたのでした。

 

5.気づくと全員職人だった

職人(しょくと)さんを雇い、自由に仕事をしてもらった(管理を放棄した)おかげで、しばらくの間、あなたは自由の身になった感覚になりました。

他の仕事に追われていることには変わりないのですが、これまでよりは気が楽で、自由な感覚でいられたということです。

なぜなら、掃除や電話対応や、ちょっとした用事を頼むこともできたからです。

職人(しょくと)さんはときどき、あなたのところにやってきて

「これはどうしたらいいですか?」

と聞いてきましたが、今のところ職人さんに任せて問題はなかったので

「職人さんの思い通りにやってほしい」

と言うようにしていました。

あなたは「そのほうが職人(しょくと)さんの職人としてのプライドを傷つけない」と思ったから、こんな対応を続けたのです

そうしているうちにあなたは…

「もう少しスタッフを増やした方がもっとサロンが回るよな」と思い、さらに数名のスタッフ募集をかけました。

そして、その数人のスタッフの管理も、職人さんに任せたのです

この状態って、職人気質のあなたに雇われた職人の職人(しょくと)さんが、さらに職人を数名管理 (マネジメント) するといった、摩訶不思議な状態です

ここには、起業家人も、管理職もいません。

全員が職人なのです。

当然、無理がでてきます。

そして、その影響が噴き出してくるのは時間の問題。

サロン内の雰囲気に不協和音が出はじめました。

それと同時に、職人(しょくと)さんはあなたに辞表を提出してきました。

あなたは職人(しょくと)さんを信用し、スタッフの管理まで権限を委託しました。

いや、職人(しょくと)さんに権限を委託したといえば聞こえはいいですが、あなたが「管理」の仕事を放棄した弊害があちこちに出てきただけの話なのです。

これは空中にあるリングの数が、あなたと、職人さんと、他のスタッフの能力の限界を超えたときに起きる現象で

【青年期のお店やサロン事業が必ずぶつかる壁】

といってもいいものです。

「いや、私は、職人さんを信じたからこそ…」

気持ちはわかりますが、もういいにしましょう。

ほとんどの経営者は、こうやって自分が犯した過ちの大きさに気づくのですから。

 

6.従業員は歯車の1つ

あなたの優先順位の上位は、お店やサロン経営だと思います。

では、従業員の優先順位の上位はなんだと思いますか?

(※ここで意識すべきは、従業員とはそもそも「経営者」ではないということ)

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ちなみに従業員の心の中は・・・

・子どもの世話
・定時に仕事を終えること
・週末の計画
・サロンでの人間関係

まあ、こんな感じでしょう。

職人(しょくと)さんも、確かにその専門スキルのプロフェッショナルですが、その前に従業員です。

サロンの主たる経営者のあなたは、そんな職人さんを信用したフリをして、自分の仕事を押し付けてはいけなかったわけです

いや、あえてキツイことを言いますが・・・

スタッフの誰も「あなたのような情熱・スキル・価値観を持っている」と信じるべきではなかったのです。(人として「信じるな」ということではないのでご注意ください)

なぜなら、従業員の誰もが、あなたほど熱心にサロンのことを考え、働きたいとは思っていないからです。

さらに、あなたのような能力や「この事業を成功させたい」という欲など、従業員は持ち合わせていません

プラス最悪だったのは・・・

今回のケースでは、辞めていった職人(しょくと)さんを信用したのではなく、彼に「依存」したことです。

その結果として、あなたは再び以前の状態にもどり、大道芸人としての天才ぶりを発揮しなくてはならない日々が再開することになったわけです

つまり、職人さんを雇う前の状態にもどることになります。

このことに気づかないと、懲りずにまた次なる職人さんを探し・・・

どんどん人間不信がひどくなっていくかもしれません。

 

7.手ごろなサイズに逆もどりのパターン

さて、今までのあなたは、こんなことをくり返してきませんでしたか?

まだ人を雇ったことのない場合でも、このパターンは覚えておいた方がいいでしょう。

というより、このことを覚えて脳ミソに刷り込んでおかないと、余分な不安を抱えてしまい、身動きできなくなる可能性が一気に高まります。

もちろん、人を雇うことは悪くありません

むしろ事業が成長するためには必要なことです。

ただし、お店やサロン事業が青年期にある経営者は、誰もが同じ状況にあります。

青年期のサロンオーナーかどうかは、(自分が働いてばかりなので)「忙しい、忙しい」といつも不平を漏らしているかどうかで判断できます。

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忙しい原因は・・・

せっかく給料を払って人を雇っているのに、すべての仕事を自分でやろうとしているのだから、それは当然のこと。

さらに、あなたが働けば働くほど、スタッフの仕事はなくなってしまい、スタッフは動かなくなってしまいますよね。

こんなスタッフの様子を見たあなたは

「やっぱりもっと自分が注意しなくては」と感じ、スタッフの仕事に口をはさんだりするようになるわけです。

何度も言いますが、スタッフはただの「ど職人」です

プライドを傷つけられたら言うことは聞かなくなり、1人辞め、また1人辞めと、悪循環が加速していくケースはよくあることです。

そして「手ごろなサイズのお店やサロン」に戻り、1人美容室として再出発するのです。

これが「幼少期」から出られず「アリ地獄状態」に悩んでいる経営者の姿なのです。

 

8.ムカついたかもしれませんが

あなたは、今までのやり方に「ダメ出し」をされているようで、ムカついたかもしれません。

でも、私は期待しています。

なぜなら、過去に、多くのサロン経営者にこんなアドバイスをしてきましたが、ほとんどの方々は、まだ「職人の自分」と向き合うという段階に達していませんでした。

でも、少なくとも、あなたはここまで読んでくれました

読んでくれたということは、自分と向き合ったわけです

今までと向き合うことで、ご自分を変えようとしませんでしたか?

私は、この1歩目を踏み出す『勇気』をもてたあなたを、本当に尊敬しています

他の誰が何をどう言ったって…

たとえ、あなたの奥さんや旦那さんがどう言ったって、私はあなたを大切だと思っているし、心からリスペクトしています。

もしかしたら

今回の話がかなり現実に当てはまり、気持ちがへこんだかもしれません。

器用な大道芸人にもどり、たった1人で「たくさんのリングを空中で回す状態」に戻ってしまった後の気持ちは、きっと最悪で絶望的かもしれません。

だからこそ

こんな状況を抜け出すために、今までとは違う考え方で、違う方法や解決方法をとっていくことが必要となってくるわけです

さて・・・

このブログは、このような問題を1つずつ解決し、常に良いお客さんからの予約でいっぱいになるお店やサロン作りのお手伝いをするものです。

お伝えしたいことはまだまだあります。

がんばってついてきてくださいね(^_-)-☆