予約が埋まるサロンの法則

美容室などのサロン経営に役立つ情報を配信していきます

「私は職人だ」と思っている経営者のあなたへ

今回は、人が成長するようにサロンやお店も成長するというお話ですが・・・

読んでくださるあなたが「ムカつく」ことをお伝えするかもしれません。

最初にあやまっておきますね、「ごめんなさい」。

f:id:mackey385:20200624170210p:plain

ちょっと退屈な「人の成長の話」を先にさせていただきます。

人の成長は、幼少期という「急激な成長を遂げる時期」を経て、その後は徐々に成長していきます。

幼少期は、親の力が主で、その力なしに生きてはいけません。

しかし、幼少期の子どもは親に感謝もできないし、誰かに生かされているといった実感などありません。

あるのは、ただ自分中心の世の中です。

しかし、思春期を迎え「自分と他人」という問題に直面すると、それまでの考え方に変化が現れます。

思春期は葛藤(かっとう)の連続ですが、この時期を経て身体も心も「大人」に変化していくわけです。

その後、身体も大きく変化しながら青年期へと入っていくわけですが・・・

青年期には、自分以外の価値観に触れ、今までにない体験(小さな成功、失敗、喜び、挫折、信頼、裏切り、愛、憎しみなど)も身をもって体験していくわけです。

で、その結果・・・

人としての成熟期を迎えるわけです。

ちなみに

幼少期にシリアスな家庭問題があったり、思春期に出るべき問題行動が起こらなかった人は、青年期で問題を起こしたり、引きこもったり、社会に適応できず自分中心の世界に逆戻りします。

したがって、成熟期にたどり着くことは難しいし、ほとんど「到達不可能」と言ってもいいかもしれません。

f:id:mackey385:20200624175802p:plain

さて・・・

こんな話に飽きてきたあなたは、以下のように思っていませんか?

「言っていることはわかるけど、何を教師みたいなことを語っているんですか?」

「このブログは『常に予約が埋まるお店』にする方法を伝えるんですよね?」

もちろん、その通りです。

しかし、今話した「人間の成長過程」と「サロン事業の成長過程」がまったく同じだったとしたらどうでしょう?

と言うか、実は、まったく同じなのです。

そして、多くのサロン経営者はこの事実を知らないので、あえて書かせてもらった次第です。

【目 次】

 

1.幼少期「職人の時代」

先ほど説明したように人は成長していきます。

それと同じように、お店やサロン事業も成長していくのが当然であり自然なことなのです。

そして、成長には「変化」を伴い、変化には「痛み」を伴うわけです。

ただし残念なことに、成長を続けられるサロン事業はごくわずか一握りしかありません。

それどころか、多くのお店やサロン事業において、経営者が望まない方向に進んでいるように見えるケースがあります。

具体的には、あなたの中の「職人気質」が主導権を握って経営をした場合です。

「職人気質」の特徴は、成長や変化、ましてや進化など求めようとしないことです。

「職人気質」の職人さんが独立して思うことは・・・

「これで、うるさい店長や、めんどくさいオーナーがいなくなった!ここからは自分の店で、自分の好きなように、自分のペースで働けるぞ!!」

という感じだろう。

深く考えなくてもわかると思うが・・・

成長や変化を求めない「職人」が、お店やサロンを経営しようとしても、これからの「アフターコロナ戦国時代」に生き残れるはずがありません。

その理由を話す前に、お店やサロン事業は、人間と同じように成長していくことを、もう少し説明させてください。

ビジネスの成長過程を「幼少期」「青年期」「成熟期」と分けて考えていき、各段階での「経営者の状態」を理解することで、あなたのお店やサロン事業がより成功に近づくプラスのヒントが得られるはずだからです。

次の章では、あなたを主人公としたストーリーを展開してみました。

耳が痛い個所があるかもしれません。

でも、現実と照らし合わせて読んでもらいたいと思います。


2.「すべて自分で」幼少期サロン 

ついにあなたは独立しました。

ここには勤めていたころの店長やオーナーはいません。

この時…

とうとうあなたは「職人」としての自由を勝ち取ったのです。

・自分のやりたいことが
・自分のやりたいように
・誰にも邪魔されずに自由にできる

将来は明るく、バラ色に見えました。

無条件で自分の可能性が信じられ、胸を熱くし、心躍る気分になったのです。

それは、夏休みに入った初日の小学生のように、手に入れた「自由の日々」に期待をふくらませている状態でしょう。

f:id:mackey385:20200624180040p:plain

独立した当初、あなたは何も考える必要はありませんでした。

なぜなら「職人」として仕事をこなすことにかけて、あなたは「プロフェッショナル」で、しっかりと「技術者」としての経験を積んできたからです。

だから、お店やサロンを立ち上げて間もない「幼少期」のころ、あなたは積極的に喜んで働こうとしました。

「目の前のお客さんに全力を注ぎ喜んでいただく…それが嬉しい、それが幸せだ!」

こうやって、1日に10時間、12時間、14時間と働くように。
もしくは、待っても待ってもお客さんが来なくて、頭をひねる日々が続く。

だいたい、そのどちらかの状態になります。

どちらにしても・・・

あなたは一日も気が休まることなく、他のことをしていてもお店やサロンのことが頭から離れません。

常に仕事を中心に生活がまわるようになり、必要とあらば、お金や労力を惜しみなくつぎ込みました。

こうやって、あなた自身が店舗業務やサロンワークに消耗されていく現象がスタートしたわけです。

あなたは、サロン経営がお客さんへの施術だけではないことに気づきはじめます。

材料の仕入れ、経理事務、広告、次々に来る業者への対応・・・

実は、これだけの仕事を「ミスしちゃダメ」と思ってこなしているあなたは、一輪車に乗りながら、複数のリングを空中で自在に操るという、大道芸人的な才能を発揮していたのです

「こんな状態ってずっと続くのかなぁ…」

あなたは、心の片隅でこんな不安を感じるようになってきました。


3.幼少期サロンの見分け方

あなたのお店やサロンが、幼少期かどうか見分けるのは簡単です。

「あなたの事業」-「あなた」=「ゼロ or マイナス(借金)」

こうなっているなら、あなたの事業は幼少期です。

ようは

あなたがお店やサロンからいなくなると、何も残らず、お店やサロン事業そのものが消滅してしまうという場合を「サロンの幼少期」と呼ぶわけです。

すべてのお店やサロンには当てはまるわけではありませんが・・・

オープン当初にがんばって集客してきたお店やサロンは、最初のころは、その苦労や努力が報われる結果が出てきたりします。

「がんばったおかげで、お客さんもお店のこと覚えてくれるようになった」
「何度も来店してくれるし、友だちにも紹介してくれた、ありがたいな…」

あなたは、こんな状態を自分が成功に向かっていると感じ、満足していました。

ところが、ある日を境に「変化」が起こり始めたのです。

初めのうちは小さい問題だったかもしれませんが、その問題は、だんだんと大きく明らかになってきたのです。

「予約したのに、なんでこんなに待たされるの!?」
「前のときと同じようにって言ったのに、全然違うじゃない!?」
「全然イメージと違う色よ、いったい何よこの色!?」

クレームです

もしくは、言葉には出さなくても「最近あの店なんかダメね」と心の中で思われ始めてきたことも問題です。

f:id:mackey385:20200624180842p:plain

お客さんが増えてきたのは嬉しいのですが、いくらがんばっても、仕事量があなたの限界を超えるようになってきたのです。

天才的な大道芸人のように、あざやかな「リングさばき」を見せていた職人のあなたも、いよいよリングを落としはじめてきたということです

お客さんが増えれば、これは避けては通れないこと。

こうなってしまうと「お客さんのために働こう」という気持ちは薄れてきます。

何もかも、最初のころのように、上手くいかなくなってくるわけです。

あなたは、たび重なるクレームや、下がっていく店の評判を気にして焦り、信用をなんとかとり返そうと必死になりますが、その間もリングを落とし続けているのです。

お店やサロンの経営者が「今のまま(やり方)では、店が続けられない…」と気づいたとき「幼少期」は終わりを迎えます

人間でいう「思春期」に入ったのです。

「生き残るためには『変化』をしていかなくてはならない」

あなたは、いよいよこう思うようになりました。

この「変化」に直面したとき、ほとんどのサロンは「スタッフを増やす」という選択をすることになります。

しかし、ここでも問題が起きるのです。

なぜなら、あなたは、この段階ではまだ「職人」だからです。

そして、この段階で「職人」から脱出できた者のみが、次の「青年期」を迎えることができるというわけなのです

しかし、先ほども伝えた通り・・・

「思春期」と同じく、ビジネスにおける「幼少期⇒青年期」への移行は「職人気質」からの脱出という、大変な「痛み」をともなうわけです。

だから多くの場合、この「痛み」をさけて青年期に移ろうとしてしまうのです。

しかし

「痛み」を避けることで、さらに痛い目にあうことになるのですが、ここではまだそのことには気づけないのですね・・・

 

まとめ

次回はこの続きをお伝えしますが、小規模ビジネスにとって、とても重要なことをお伝えしますので、見逃さないでくださいね。