予約が埋まるサロンの法則

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新型コロナで自粛してもビクともしないお店を構築する方法

こんにちは、牧野です。
新型コロナウイルスの影響で、自粛を余儀なくされたお店の中で、自粛をしながらもビクともしなかったレストランがあります。

その奇跡のレストランオーナーが言うには「うちは『5つのC』というものを日頃から意識していたので大丈夫だったんですよ」とのこと。

今回は、コロナショックにも動じなかった「5つのC」についてお伝えします。

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5つのCとは、 Concept(コンセプト・サロンの理念)、 Contents(コンテンツ・売り物)、 Commerce(コマース・店舗やホームページ)、Community(コミュニティ・店と顧客のつながり)、Context(コンテクスト・文脈、背景、ストーリー)です。

これらのうち、どれか一つが欠けても「経営者の軸」「スタッフのヤル気」「お客さまへのインパクト」がブレたり弱くなったりして、お店やサロンの魅力がパワーダウンしてしまいます。

今回は、5つのCのうち、あまり意識されていない Context(コンテクスト・文脈、背景、ストーリー)のお話をします。

【目 次】

 

1.お客さんの「なぜ?」に答えると

コンテクストのお話しの前にいくつか質問させてください。

Q1.あなたはなぜ美容師(あなたの職)になったのですか?
Q2.あなたはなぜ自分のお店を出したのですか?
Q3.なぜお店(サロン)の屋号をそれにしたのですか?
Q4.あなたはなぜそのような理念を持っているのですか?
Q5.なぜこの街にお店を出したのですか?

質問は以上です。

これらの質問や疑問は、ほとんどのお客さんの心の中にあるもので、お客さんとの関係を深くしていくためにも「回答」をしなくてはならないものなのです。

そして、あなたがこれらの質問や疑問に答えようとするとき、あなたが思い浮かべるストーリー(物語り)が、コンテクストと呼ばれるものになるわけです。

 

2.見落とされがちなコンテクスト

コンテクストとは、あなたのお店のコンセプト、コンテンツ、コマース、コミュニティの背景にる「ストーリー」です。

そして新規集客や、固定客づくりのためにもコンテクストはとても重要。

なぜなら、多くのお客さんは、店舗や商品の背景にあるストーリーに反応し、共感した人たちがあなたや「あなたのお店やサロン」に興味を抱きコンタクトをとろうとするからです。

つまり、コンテクストは「あなたのお店やサロンの顧客」となる可能性が高い見込み客を数多く集めるためには必要不可欠な要素と言えるのです。

しかし、残念なことに、コンテクストを重要視しているお店やサロンは、あまり見当たらないのが現状です。

 

3.奇跡のレストランのコンテクスト

私の友人に増田慎一さんというフレンチレストランのオーナーシェフがいます。

冒頭にご紹介した「奇跡のレストラン」の経営者です。

※彼のメルマガに登録するとコンテクストの勉強になります

増田さんは独立して「シェフ 兼 経営者」としてお店を切り盛りしているのですが、食事に行こうと思っても「スミマセン、今月は予約で一杯なんです」と言われてしまうくらいの繁盛店を作りあげました。

といっても、ただ繁盛しているだけではありません。

彼のレストランのお客さまたちは、増田さんの大ファンばかり。

そしてなにより、増田さんが「こんなお客さまにご来店いただきたいな」という理想のお客さまばかりを引き寄せているラクルレストランなのです。

コロナショックのときも、テイクアウト料理を求めて、増田ファンが連日来店され、テイクアウトとしては高めの料理を喜んで購入されたそうです。

なおかつ、涙を流しながら料理を受け取るお客さまもいて・・・

「コロナでの自粛中は毎日がお客さまとの感動の日々でした」

と嘘のようなことを感慨深く話してくれました。

なぜ、このようなことが可能なのかと言いますと、増田さんは「5つのC」と、あとで説明する「3つのS」を完璧に作りあげているからです。

増田さんのインスタグラムに、コンテクストとして素晴らしい投稿がありましたので、彼の許可を得て紹介させていただきます

こんばんは、増田です。

実は…僕には…

毎年、6月になると思い出す
暗い過去があります。。。
来月のメニューに繋がる

エピソードなので、
少しお付き合いください。

もう18年以上前の話ですが、
僕は、
料理人を辞めたいと

真剣に思ったことがあります。

思い悩んでいました。

精神的にドン底の状態でした。

大学を卒業してから
料理の世界に入った私は、

当然なんにも出来ませんでした。

僕は、
料理がやりたかった訳でもなく、
ただ何となく働いていました。

現場で飛び交う専門用語も
ちんぷんかんぷんで、
言っていることさえ理解出来ない
状態で、
全く戦力になっていませんでした。

それまで
無駄な時間を過ごしたような気がして、
大学に行ったことを
とても後悔した程です。

こんな事なら早く料理の世界に
入っていればよかった。。。
そんな思いでした。

毎日、シェフや先輩から
罵声や暴力の嵐…

身も心もボロボロの状態でした…

もう辞めたい…

とにかくここから逃げたい…

心底そう思っていました。

まかないも喉を通らず、
夜も眠れない…

もう朝なんか来るな、
と思っても、
当たり前ですが、
必ず朝になり、仕事が始まる。

そして、また罵声、罵声…

全く楽しくありませんでした。

ある日、意を決して
シェフに、もう辞めたいですと、
言いに行きました。

シェフは黙って話を
聞いてくださり、

明日、お前の誕生日だろ、
お祝いの料理を用意してある、
辞めるなら、
その料理を食べてから辞めろ、

そう言われました。

僕は、
あまりにも精神的に
追い詰められていたため、
自分の誕生日のことすら
忘れていました。

次の日に、
シェフが
誕生日のお祝いに
作ってくれた料理が
ホロホロ鳥のコンフィ』

でした。

これを食べたら辞められる、
そんな状態でした。

一刻も早く、
この場から去りたい、
そう思っていました。

しかし、
一口食べてその浅はかな思いが
すっ飛びました。

そのホロホロ鳥のコンフィが
あまりにも美味しくて…
美味しくて…

無我夢中で食べました!

気がつくと、
骨までしゃぶっていました。

この料理、
どうやって作るんですか?

我を忘れて、
シェフにそう質問していました。

お前、
辞めるんじゃなかったのか?

え、あ、はい、えっと、

完全に動揺する僕に、

俺もお前と全く同じ道を
歩んできた、
お前の気持ちは痛いほど分かる、
大丈夫だ、お前なら出来る、
大丈夫だ。 と、僕の手を握ってくれました。

僕は涙が止まりませんでした。

あの手の温もりと、
あの手の大きさは、
今でもはっきり覚えています。

そして、シェフからこう言われました。
ーーーーーーーーーーーーー
人生には二通りの生き方がある。
好きなことを
職業にする生き方が一つ。
もう一つは、
就いた職業を
好きになる生き方だ。 どちらも素敵な人生で、
増田、お前は後者だ。
ーーーーーーーーーーーーー

この言葉は一生忘れません。

なんの目標も持たずに
生きていた自分にとって、
天から光がさしてきた気が
しました。

これまで僕の支えになり、
これからも
多くの希望を与えてくれる
言葉です。

その時に、
絶対にこの世界で生きていく、
絶対に逃げ出さない、
と心に深く深く刻みました。

シェフは僕の全てを
お見通しだったのだと
思います。

18年以上前の話ですが、
今では人生の大切な宝物です。

どんな時代でも、
人と人との繋がりは尊いもので、
指導や教育は、
心と心が触れ合うことから成し得る、
と今は思えるように
なりました。

そして、
続けることで
見えてくる世界が
必ずあります。

どんな職業にも
必ずある筈です。

その景色こそが
人生の醍醐味だと思います。

僕はたまたま料理人になり、
周りの支えで続けることが出来、
今の景色を見ることが出来ました。

そこには必ず素敵な出会いがあり、
お互いの人生の深さが見えた時に、
感動するのだと思います。

これからも
僕は一期一会の出会いに感謝し、
料理を作り続けます。

毎年、
自分の誕生日が近づくと
あの時の辛さを思い出します。

ほろ苦い思い出です。

あの時、
ホロホロ鳥を食べなかったら、
料理人を辞めていたと思います。

来月、僕の誕生日月は、
このホロホロ鳥の料理を、
ボンマスダで出そうと思います。

今度は僕が作る番です。

僕の人生を変えた一皿を
是非ご賞味ください。

少し長くなってしまったので、
コースの詳細は
またメールします。

いかがでしたか?「ホロホロ鳥のコンフィ」食べたくなりませんでしたか?

 

3.ホームページは説明よりも物語り

増田さんのお店のホームページをご覧いただくとわかると思いますが、あちらこちらに「5つのC」がちりばめられています。

ホームページにはお客さんが知りたい「物語り」が書かれていて、それを読んだお客さんが、店に行かなくても増田さんのファンになってしまうようなコンテクストで溢れています。

さらに、ホームページには「考え抜かれたマーケティング戦略」も組み込まれているので、お店やサロンのオーナーさんには参考になるヒント満載です。

私は現在コンサルティングをしていません。ですから、お店やサロンの相談がある場合は、迷わず私は増田さんを推薦しご紹介します。

ホームページには、広告や宣伝時に書ききれないあなたやお店、そしてお客さんとの物語をいっぱい書いておきましょう。

 

4.顧客の心を鷲掴みする3つのS

コンテクストで心を掴んだお客さんにご来店いただいたら、常連客になっていただかなくてはなりません。

その時に必要な要素が3つあります。

その3つの要素は、頭文字が全て「S」なので、私は3つのSと呼んでいます。

・Surprise(サプライズ)
・Specialize(スペシャライズ)
・Story(ストーリー)

これらが3つのSですが、お客さんが、あなたのお店やサロンのファンになってもらうための「必須事項」ですので、ぜひ、覚えておいてください。

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簡単に説明しておきます。

・Surprise(サプライズ)は、店の作り、ウェルカムカード、プレゼントなど「意外なサービス」対する驚きの演出です。

・Specialize(スペシャライズ)は、リピートしてくれたお客さまへの(えこひいき的な)特別な「おもてなし」や「提案(次回予約割引など)」です。

・Story(ストーリー)は、お店や自分のコンテクストを直接語ることであったり、お客さんが来店するまでのコンテクストをお聞きしたりして、お店とお客さんの関係性をより深めるのに役立てます。

3つのSは、お客さまの「口コミ」の材料にもなるので、いろいろ試して、反応が良い取り組みをいくつか用意しておきましょう。

 

5.まとめ

予約が埋まるお店やサロンには、お客さんにとっての魅力があります。

しかし、その魅力は「5つのC」や「3つのS」によって引き出され、お客さまに伝わるわけです。

この「伝わる」をどう工夫していくかが、小さなお店やサロンの腕の見せどころとなり、最も頭を悩ます部分となります

今回は増田さんのお店を「例」に、その頭を悩ます部分をどのように工夫しているかを実際に見ていただきました。

異業種の成功例には、自分の業界で成功するヒントが含まれています。

ぜひ、学び取る「目」で読んでいただけたらと思います。

では(^_-)-☆