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なぜ他店との差別化はしない方がいいのか

こんにちは牧野です。「他店との差別化がうちのサロンの課題だ」と思っているなら、私の意見はまったく違います。

以前は、私も「他店との差別化は当然したほうがいい」と思っていたのですが、自粛期間で考えが変わりました。「他店との差別化はあえてしなくていい」というのが、いまの私の意見ですので、ぜひ、お聴きください。

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サロンの独自性を出すためには「他店との差別化」が大事だというコンサルタントは多いです。むしろ「差別化賛成派」のほうが多いでしょう。

差別化とは、ライバル店や、同じ商圏に出店している同業他店の様子を調べ、他店との違いをアピールしていくことを指しますよね。

「差別化」の理屈は私も理解できるのですが、この発想は、一歩間違うとアリ地獄にはまってしまう危険がありますのでご注意いただきたいのです。

【目 次】

 

1.底なし沼にはまる理由

アリ地獄とは、もがけばもがくほど脱出できない危険な穴ですが「他店との差別化」は、まさに「アリ地獄」なのです。

なぜなら、多くのサロンオーナーやコンサルタントが推奨する「差別化」は「相対的な違い」をアピールしようとする行為だからです。

「相対的な違い」を追求すると

「あっちの店は○○が売りだから、うちは△△を売りにしよう」
「こっちのみせは顧客単価が高いから、うちはもっとリーズナブルにしよう」

というように「他店あっての自分のお店」になってしまいます。

ようは「常に相手を意識した戦い」になってしまうということです。

これはどういうことかと言いますと「お客さんの争奪合戦」という「アリ地獄」に自ら飛び込むことを指します

「他店がああするから、うちはこうする」では、あなたが自分の理念に沿って本来作ろうとしているサロンは一生かかってもつくれないと思いませんか?

もし、こんなことを続けていたら破たんします。

なぜなら「他店との差別化」が行きつく先は、価格競争の安売り合戦だからです。

 

2.他店と圧倒的に違うもの

上記が「他店との差別化」をしない方がよい理由ですが、では、どうすれば「他店との差別化」をすることなく、あなたのサロンのよい特徴をお客さんに伝えられるのでしょうか?

さらに「他店と圧倒的に違うもの」ってどうやって見つけ、多くの見込み客にアピールしていけばよいのでしょうか?

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実は「他店と圧倒的に違うもの」は既にあるのです。

灯台下暗しです。

他店と圧倒的に違うもの、それは「あなた」です

これはふざけて言っているのではなく、他店との圧倒的な違いは「あなた自身」。これに尽きます。

なぜなら、あなたという人間は、この世に一人しかおらず、超激レアな存在でオリジナル商品だからです。

私は、これ以上の「差別化」は存在しないと思っていますし、さらに、スタッフさん一人ひとりも「他店との圧倒的な違い」になり、ここでも「差別化」を強固なものにできると考えています。

 

3.あなたの価値

私のマインドセットの中に「人は『何を買いたいか』ではなく『誰から買いたいか』を重視している」というものがあります。

このマインドセットは、他にも

「何を教わりたいかより、誰から教わりたいか」
「どんなヘアスタイルになりたいかより、誰にヘアスタイルを作ってもらいたいか」
を重視する。

ということにも置き換えられます。

ここの「誰」の部分に「あなた」が入れば、他店との相対的な違いという「不毛の価値」を追わなくて済むのです

私が願うことは、あなたは「不毛の価値」など追いかけずに「あなたの価値を追求してもらいたい」ということです。

あわせて、スタッフさんたちの「価値」も追及してもらいたいと思っています。

追求する矛先が「他店との違い」から「自分の価値」に向くことで、より「お店の方向性」や、お客さんに伝えたい「お店の主張」に」集中できます

ようするに「ほかの店がどうでも、うちの店はうちの店。お店の理念を掲げて、お客さまに主張していきましょう」ということです。

そして「人(人となり)」と「主張している理念」で選ばれるサロン作りをしていけば、底なし沼対決を涼しい顔して避けることができるので、マイペースで進めます。

 

4.人間性が重視される世の中

新型コロナの影響で、人は今まで以上に「人」を観るようになりました

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なぜなら「不安」と「恐怖」と「危機感」を同時に突き付けられ、人のいい加減さや有難さに国民の多くが気づいてしまったからです。

だからこそお客さんは

・どんな人で
・どんな生き方をしてきて
・どんな考え方で
・どんな性格で
・どんなものが好きで
・どんなものが苦手で
・どんな欠点があって
・どんな暮らしをしているか

など、こんなことを知ろうと検索してきます。

なぜなら、そんな世界でただ一人のあなたから、サービスを受けたいと思っているからに他なりません。

そして、お客さんは「あなたの輝かしい経歴」以上に「あなたの欠点」や「過去のストーリー」を知りたがっていることを付け加えておきますね。

 

5.漫画ワンピースから学ぶ

発行部数ダントツ日本一の漫画、ワンピースの人気の秘密は「登場人物の過去のストーリー」にあるといっても過言ではありません。

そのストーリーは千差万別で(当たり前ですよね)、決してカッコいいものではありません。

登場人物は、ただカッコいいだけではなく、ただ可愛いだけでなく、ただメッチャ強いだけでなく、人間臭いストーリーを持っています。

・情けないような
・恥ずかしいような
・言いたくないような
・隠しておきたいような

そんな「欠点だらけ」のストーリーがしっかりと描かれていますよね。(ワンピースを知らない人はごめんなさい)

一人ひとりのオリジナリティが溢れる欠点だらけのストーリーは、嫌でも人を惹きつけますし「あなたの価値」を際立たせます。

このような理由から「プロフィール」作りの重要性がわかってきますよね。

だからこそ(あなたの栄光の歴史ではない)人間臭く、泥臭いあなたの歴史をプロフィールに載せることを強くおススメいたします

あなたのプロフィールや、お店の理念の主張ができる媒体は、いまの時代無料でいくらでもありますよね。

・ブログ
・ホームページ
・SNS
・名刺
・チラシ
これらをフル活用して「他店との差別化」をしなくていい「あなたという価値」を高めていってください

 

6.まとめ

今回お伝えしたかったのは・・・

1.他店との差別化は不毛な戦い
2.他店との圧倒的な違いは「あなた自身」
3.「人となり」と「主張している理念」で選ばれるサロン作り
4.「(宝物である)欠点だらけの自分」のプロフィール作り

このようなことでした。

さて「差別化は必要ない」という私の主張はご理解いただけたでしょうか?

よく考えてみれば、他店と違うことばかりしていたら、とてもお店の理念を主張することはできませんよね。

そして時代は「競争」から「共存」へと移り変わっています

先ほども述べましたが、新型コロナの影響で、それまでの「当たり前」が、有難かったことがわかりました。

そして何より「人は協力し合って共存している」という事実が、イヤってほど身に染みたわけです。

このことは、相手と競う戦うといった「競争」ではなく、お互いに「主張しあいながら共存していく」という流れを作ったといえます。

大きな時代の変わり目に「今までの考え方」「今までの常識」「今までの価値観」「今までの発想」これらを一度リセットしてみるのも柔軟な対応だと私は思います。

 

以上です、お疲れさまでした。(^_-)-☆